高齢者向けキッチンリフォーム事例~S様邸の場合~
3年前に外壁塗装をご依頼いただいたS様邸。
今回は、ご夫婦がより快適に暮らすための1階のリフォーム、
特にキッチンリフォームに焦点を当ててご紹介します。
奥様の悩みとご主人のこだわり
長年使い込んだキッチンに、奥様は「開き扉の使いにくさ」「食洗機とオーブンの不要性」といった悩みを抱えていました。
一方、ご主人は、無垢の木製扉や全体の美しさへの愛着から、キッチン全体を交換することに抵抗を感じていました。
高齢者向けのキッチンリフォーム:S様邸の事例
S様邸では、ご夫婦のそれぞれの希望を叶えるべく、以下のリフォームを行いました。
1. 安全性を重視!IHコンロへの交換
ガスコンロからIHコンロへの交換は、火事の危険を大幅に軽減し、タイマー機能で消し忘れを防ぐことができるため、高齢者にとって非常に安心です。
電源工事は必要ですが古いガスコンロのスペースにそのまま取り付けられるため、リフォームもスムーズに行えます。
2. スペースを有効活用!オーブン撤去&引き出し式収納
使わなくなったオーブンのスペースを、引き出し式の鍋や調味料収納に替えることで、収納力が大幅に向上しました。
引き出し式にすることで、立ったままでもスムーズに物が取り出せるため、高齢者の方でも使いやすい設計になっています。
3. 食洗機を撤去し収納スペースを拡大
シンク下の食洗機部分を、普段使いの食器を収納できる引き出しに交換しました。
これにより、シンク周りで食器の出し入れがしやすくなり、作業効率がアップしました。
4. カップボードも改善!よく使うものを手の届く範囲に「見える化」
従来の腰下の開き収納は、しゃがんで除き込まないと物が探すこともできませんでした。
そこで、2つのキャビネットの内部に「引き出し」を組み込み、
立ったままでもスムーズに物が取り出せるようにしました。
腰の高さでの上段引き出しには、よく使う食器やお箸、カップ類など、頻繁に使うものを収納。
下部引き出しには、ストック品や、あまり使用頻度が高くないものを収納していただきました。
これにより、必要なものがすぐに取り出せるようになり、キッチンでの作業がスムーズになりました。
透明な容器を使用することで、中身が一目でわかり、無駄な買い物を防ぎます。
また、カテゴリー別に収納することで、欲しいものがすぐに取り出せます。
5. 見た目と機能性を両立!リーズナブルな選択
ご主人の愛着のあるキッチンを尊重しつつ、奥様の使いやすさを向上させるため、部分的なリフォームを選択しました。
PanasonicキッチンユニットやIKEAの部材を活用することで、造り付けの家具に比べてコストを抑えながらも、機能的な改善が実現しました。
高齢者向けキッチンリフォームのポイント
今回のS様邸のリフォームを通して、高齢者向けのキッチンリフォームには以下のポイントが重要だと改めて感じました。
- 安全第一: 火を使わないIHコンロへの交換など、安全性を高める工夫が大切です。
- 使いやすさ: 高齢者でも使いやすい高さや収納方法を考慮する。
- 収納力アップ: 必要なものをすぐに取り出せるよう、収納スペースを工夫する。
- コストパフォーマンス: 予算に合わせて、最適なリフォームプランを提案する。
工事から引き渡しまで
工事前は、何度も打ち合わせを行い、工程を丁寧に説明することで、S様にご安心いただけるよう心がけました。
また、引き渡し時には、収納方法や動線をわかりやすく説明し、一緒にキッチンを片付けながら、快適に使えるようサポートしました。
まとめ
今回のリフォームでは、ご主人の「コストを抑えたい」というご希望と、奥様の「使いやすさ」というご希望を両立させるため、様々な工夫を行いました。
例えば、キッチンユニットやIKEAの部材を活用することで、コストを抑えながらも、機能的な改善を実現しました。
特に、カップボード収納では、ご主人から「市販のカゴなどで代用できないか」というご意見をいただきました。
しかし、建築造作の引き出しは、ぴったりと収まり、スムーズな開閉が可能です。
何より、最近の引き出しレールは軽く、静かに閉まるソフトクローズ機能付きのため、
高齢者の方でも安心してご利用いただけます。
これからも、お客様一人ひとりの暮らしに合わせた、最適なリフォームをご提案してまいります。
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